慶応義塾大学 矢上キャンパスにて 大林組が


石綿の飛散防がず工事 昨年11月、慶大構内で大林組

2016年3月17日 朝刊

 慶応大矢上(やがみ)キャンパス(横浜市港北区)で昨年十一月、アスベスト(石綿)を含んだ実験室の改修工事が市に無届けのまま行われたことが分かった。工事を請け負った大林組(東京都港区)は本紙の取材に、大気汚染防止法が定める事前調査を怠り、石綿の飛散防止措置を講じていなかったと認めた。市は同法違反に当たるとして十六日、大林組と慶応大に再発防止を求める行政指導をした。 


 石綿を吸い込むと、がんなどの健康被害が起きる。大林組は「当社の完全な落ち度。作業員が吸引したり、周囲に飛散したりした可能性は否定できない」と答え、監督官庁の指示を仰ぐと説明。慶応大は近く学生や教職員に通知し、学内で相談を受け付ける。


 慶応大や大林組などによると、同キャンパスは理工学部が使用している。改修工事したのは一九七二年完成の六階建て研究棟の二階部分。うち実験室(三十四平方メートル)の天井で、断熱材とみられる建材(重さ百五十キログラム)に石綿が使われていた。昨年十一月に二日間、作業員三人が室内の塗装をはがす際、石綿を含む建材も一緒に削り落とした。


 情報提供を受けた市が今月四日、慶応大を立ち入り検査したところ、キャンパス内に保管中の建材から国の基準値の八十六倍の石綿が検出された。


 大気汚染防止法は、解体や改修の際、石綿があるかどうかの事前調査を受注業者に義務付けている。調査結果は書面で発注者に報告しなければならない。石綿があれば、発注者が管轄の自治体に除去工事の実施を届け出る。


 大林組によると、現場の担当者が「過去に石綿は除去済み」と思い込み、調査不要と判断。慶応大に報告せず工事に着手した。


 工事現場は、一般の粉じん飛散防止策をした程度で、排気装置の設置など国が定める石綿飛散防止策を講じていなかった。


 キャンパス内に飛散した可能性もあるが、市は「既に工事を終えており確認は難しい」。慶応大は学内施設について、石綿の再調査を検討している。

東京新聞
平成28年3月17日 より引用




[ 2016/03/19 20:34 ] 建築紛争 | TB(-) | CM(0)

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