文京区役所前の巨大再開発 多額補助に公益性問う声


文京区庁舎や東京ドームに隣接する一等地で始まった巨大再開発の是非が問われている。もともと七百五十四億円を見込んでいた事業費が、わずか三年間で千百一億円にもふくれあがり、再開発組合から区に百億円もの補助金増額を要求されたからだ。多額の公金支出に見合った公益性が事業にあるのかどうか、議会から追及されている。 (中村信也)


 議論になっているのは、春日通り、白山通り、千川通りなどに囲まれた二・四ヘクタールに高層ビル三棟を建設する「春日・後楽園駅前市街地再開発」。地下鉄四路線が走り、雑居ビルが密集するエリアを北、南、西の三街区に整備する計画だ。今月中旬、再開発事業を目的にした解体工事が始まった。


 北街区には地上四十階、高さ百四十メートルの超高層ビルが建てられ、オフィスや店舗、五百七十八戸の分譲住宅が入る。三街区全体では計七百七十五戸の住宅が整備される。二〇一九年十二月の竣工(しゅんこう)を目指す。


 一二年に都の事業認可を受けたときに七百五十四億円だった総事業費は、今年五月の計画変更で約三百五十億円も増えた。増加は工事費が当初見込んでいた四百六十八億円から八百十五億円へと、二倍近く高騰した分が多くを占める。


 区議会最大会派「ぶんきょう未来」の宮崎文雄氏は今月の建設委員会で「組合側から会派に対し、新たに百億円の補助金増額の相談があった」と明らかにした。区が支出する補助金は、六十五億円から百六十五億円になる。区側は「組合と協議中」と指摘を認める答弁をした。


 国の補助金の見込みも、当初の十三億円から百十三億円に増えた。「都市・地域再生」と「防災・省エネまちづくり」という二つの緊急促進事業から、それぞれ七十二億円と四十一億円を支出する。


 建設委で宮崎氏は「補助金増額なら、医療モールなど公共性の高い施設を増やせないのか。税金投入には公益性がいる」と主張した。また「市民の広場」の藤原美佐子氏も再開発によるメリットをあらためて調査することや、現在地にはアスベストが使われた古い建物が多いことから、解体工事の説明会を、再度開催することを求めた。共産の金子輝慶氏も、再開発の公益性を説明するように要求した。


 このほか、文教委員会では保育施設が三階に設置される計画であることが明らかになった。「区は乳幼児が災害時に安全に避難できるよう保育施設は一、二階に設置するよう事業者に求めてきたはず」と、ぶんきょう未来の海津敦子氏が追及した。区側は「極力お願いしているもの」で強制ではないとの認識だった。


 再開発区域の近くに長く住む男性は「参加しない地権者がいて区域のデコボコが多く、調和のとれた再開発ではない。この付近では突出した高層ビルは景観上も問題。風の調査も不十分だ。今の住民が再開発ビルに移っても税負担が重く、町会からもいずれ抜けていく。地域のためになるのか疑問」と話した。

平成27年12月24日

東京新聞より引用















[ 2016/02/08 18:11 ] 建築紛争 | TB(-) | CM(0)

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