行政不服審査制度

菅内閣は、国が行うマンション建設の許可や飲食店の営業許可、情報公開、公害病認定といった行政処分に国民が不服を申し立てる「行政不服審査制度」を、大幅に見直す方針を固めた。有識者ら外部の第三者による常勤ポストとして独立した「審理官」を新設し、審理を委ねる。処分にかかわった職員が審理にあたる「お手盛り」を排除する狙いがある。

 行政不服審査法は1962年の制定以来、一度も改正されていない。仙谷由人官房長官が主導し、31日に発足する「行政救済制度検討チーム」(共同座長=原口一博総務相、蓮舫行政刷新相)が見直し案の検討を進め、2012年の通常国会への改正案提出をめざす。

 現行制度は、処分を下した行政側の職員が審理にあたることを禁じておらず、「公平性を欠く」との批判があった。国税の課税に対する不服申し立てでは裁決まで平均1年3カ月かかっており、何年も裁決しない「たなざらし」も問題となっている。

 新制度では、政府全体で数十人の審理官を任命する方針。処分にかかわった職員による審理を禁じ、民間から人材を起用。独立性や身分保障の規定を明記し、審理に専念させることで審理期間の大幅短縮を図る。「柔軟で実効性のある救済」「公平性への配慮」などの規定も設ける。

 行政不服審査法の改正案は福田内閣も08年の通常国会に提出したが、審議未了で廃案になった。当時の改正案には、行政処分にかかわった職員を審理から除外する「審理員」の新設が盛り込まれたが、今回の「審理官」とは違い、あくまで「身内」にとどまり、外部登用までは踏み込んでいなかった。

 同制度は、訴訟よりも手続きが簡単で手数料もかからない利点があり、国への不服申し立ては、08年度で約2万2千件。ただ、申立人の主張が認められる割合は1割程度にとどまっている。
[ 2010/08/31 09:56 ] 未分類 | TB(-) | CM(1)